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電気ウナギが発電する仕組み

電気を生み出すウナギとして有名な「電気ウナギ」。 なぜ電気ウナギが発電するのか、仕組みについて知っている人は少ないだろう。 そこで、発電する仕組みや特徴、知れば面白い豆知識など詳しく説明する。

電気ウナギが発する電気量

あなたは「電気ウナギ」の特性についてご存じだろうか。 「電気ウナギ」は硬骨魚類の1種であり、日本にはあまり生存していない。特に、南アフリカアマゾン川オリノコ川付近に生息している大型魚だ。 特徴はもちろん‟強力な電気を起こす魚”。 一般的に川や海に生息している魚は電気を生み出さない。しかし、電気ウナギは自ら電気を発する生物であり、接触には十分な注意が必要になる。 けれども、電気を発するだけが生物的特徴ではない。ほかにも‟大きさ”に独特な特徴を持っている。 名前に「ウナギ」がついていることから私たちが食しているウナギと同じ仲間と思っているだろう。 しかし、実際はウナギとはまったく異なる。生物学上、別の生物として分類されているのだ。 電気ウナギの成魚は全長がおよそ2.5mにも達しており、体形は細長い円筒形。 また、特性の中でも気になるのが‟どのくらいの電気を発するのか”。 大きさにもよるが発する電気の大きさはおよそ800ボルト。 わかりやすく言うと、テレビを見るときの電力がおよそ100ボルトなので、家庭で使用する電力のおよそ8倍になる。とてつもない電気を持っていることがわかるだろう。 ちなみに電気ウナギが電気を発するときは「エサとなる小魚を捕まえるとき」。体内にためていた電気を放出して小魚に電気ショックを与え、食料を確保する。 電気ウナギは自分たちの特性を活かしてエサを獲得し生き永らえているのだ。

電気ウナギが発電する仕組みとは?

電気ウナギがどのくらいの電気を持っているのか把握した上で、次は発電する仕組みについて説明しよう。 どのようにして電気ウナギは発電しているのだろうか。 発電する仕組みは「発電版」と言う部分が大きなカギとなる。 電気ウナギの筋肉の細胞が「発電板」の役割を果たす。筋肉は生物が生きるために必要なものだが、その細胞が発電するように変化しているのだ。 また、発電器官は体長のおよそ5分の4を占めており、肛門から後ろがほとんどその部分。電気を発する「発電板」が数千個も並んでいる部分を「発電器官」と呼ぶ。 だからこそ、家庭のおよそ8倍もの電力が生み出せるのだ。 さらに、数千個の発電板が並んでいる発電器官には「プラス極」と「マイナス極」を持つ。頭側にプラス極、尾にマイナス極が位置している。 ちなみに、同じく電気を発する電気ナマズはプラス極とマイナス極が逆だ。 実は、発電版自体発する電圧はとても小さいもの。発電板1つにつき電圧はおよそ0.15ボルトになっている。 けれども、数千個の発電板が並んでいることで小さい電圧でも大きい電圧になる。 数千個の発電板が一斉に発電することで最高電圧がなんと600~800ボルトへと急上昇するのだ。 このような仕組みによって電気ウナギは一気に高い電気を放出する。   また、発電する仕組みが機能するのは「敵に遭遇したとき」と「エサを見つけたとき」。 電気ウナギが泳いでいる水に触れれば「ビリッ」と痛みを感じる……と思っている人が多いのではないだろうか。 しかし、泳いでいる水槽にそっと手を入れる程度であれば感電はしない。直接ウナギに触れない限り電気は感じないのだ。 ただし、人が直接電気ウナギに触れれば一斉に電気を発し感電する恐れがあるので要注意。 触れる機会がある際は、以上の仕組みをきちんと理解することが必要になる。

びっくり…ウナギは「老化」や「疲労」も感じていた

私たちは体を動かすときさまざまな筋肉を動かしているもの。 私たちと同じように「電気ウナギ」も生きている間は筋肉を動かして一生懸命動いている。筋肉を動かすと同時に場合によって電気を発するので疲れることもあるのだ。 先述の通り、電気を発するためには筋肉を動かすことと一緒で神経からの指令を受けなければならない。 神経から「電気を発せよ」と言う指令を受けてATP(アデノシン三リン酸)を消費している。 ATPはいわゆる「生体のエネルギー通貨」でもあり、代謝や細胞の合成・活性化には必要不可欠。 ATPが消費される分だけ疲れがたまり老化がすすんでしまう。 電気ウナギも疲れや老化を感じるときがある。疲れている、老いている個体はうまく発電できずに体の動きが鈍ってしまうのだ。 よって、ウナギ自体がガス欠状態になると発電できなくなる仕組みになっている。 そのため漁法の中には電気ウナギの仕組みを生かして疲労した状態に追い込んで弱ったところを安全に捕獲すると言う方法がある。   また、ある研究結果によって2種類の電気を使い分けていることが判明した。 2種類の電気とは「弱い電気」と「強い電気」。 弱い電気は主に尾ひれの方で強い電気は頭に近い方で生み出している。そして、エサや場所を把握するレーザーの役割になっているのが「弱い電気」。 一方、「強い電気」はエサを見つけたとき、敵と会ったときに発する電気となる。 つまり、独自の発電する仕組みを生かしつつ2種類の電気を上手に使い分けているのだ。   以上、電気ウナギが発電する仕組みについて説明したがいかがだっただろうか。 詳しく知れば知るほどとても面白い仕組みだとわかる。 安全のためにも発電する仕組みをきちんと把握しておこう。