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日本人に多い“事なかれ主義”

日本人は「事なかれ主義」が多い。 なかには事なかれ主義という言葉をはじめて聞いた人もいるはず。が、この主義は日本人の根本的な考え方だと言われている。 では、「事なかれ主義」とはいったいどのような考えなのだろうか。 今回は日本人に多い「事なかれ主義」について詳しく説明する。

良い意味で「平和主義」悪い意味で「責任転嫁」

日本人の特徴でもある「事なかれ主義」とはどのようなものだろうか。 簡単に説明すると良い意味では「平和主義」、悪い意味では「責任転嫁」なのが事なかれ主義。 平和主義ならよいのでは…?と思うが、実は事なかれ主義が日本の大企業を悩ませていると言われている。 事なかれ主義は、何に対しても平穏で問題ごとがなくあってほしいと願っていることで、できるだけ争いごとを避けようとする。争いごとを避けようとするあまり、チャレンジ精神が少ない。また、問題が起きてもできるだけ大事にしないように最小限に抑える傾向もみられる。 世間体や他人の評価を気にする日本人ならではの特徴が事なかれ主義に現れている実例を挙げよう。

例えば、ある企業に勤めている日本人Aさん。 Aさんはプロジェクトチームの一員として仕事をしていたが、途中で問題が発生してしまった。 問題を解決しなければ次に進めることはできない。しかし、Aさんはできるだけ穏便に進めるために、上司に報告せず解決すべき問題を避けてそのままプロジェクトを進めてしまった。 その結果、プロジェクトは失敗し、Aさんはチームから外されることに。

自分に被害が及ばないため問題を避けるAさんのような日本人が事なかれ主義の典型的存在。つまり、自分の権威や立場を危うくしないために問題に向き合おうとしないのだ。日本人は逃げる傾向が強く、ほとんどが向き合わなかったせいで失敗している。 また、問題が発生した時の対処法を知らないため、対処しきれずにそのまま放置する可能性も高い。 人間はさまざまな壁に当たり、ひとつずつクリアしていくことで自分自身の成長につながる。しかし、日本人独特の事なかれ主義は問題や立ちはだかる壁を避けるため、問題を解決するための力も持てない。 そのため、予期せぬことが起こった時にすぐ対処しきれない。日本人独特の特徴と言えるだろう。 傍から見ると、平和主義なら争いごとがなくてよい、平穏な生活が過ごせるからよいと思ってしまうが、「現実から逃げる」欠点があることを忘れてはいけない。 平和を好むあまり、いざという時に力を発揮することができず、誤った選択をする。よって、さらに仕事ができなくなったり、大きな問題に発展し、スムーズに進められなくなってしまうのだ。 大きな問題が起こるとその原因を他人に押し付ける「責任転嫁」もよくみられる。 このような日本人の特徴から、日本の大企業も事なかれ主義に対する対応、処置に手を焼かせられているのだ。

日本人の事なかれ主義はトラブルを生む?

では、実際に起きた日本人の「事なかれ主義」によるトラブルを挙げていこう。 まず最初に挙げられるのは、近年問題になっている「青少年のいじめ問題」。小学校や中学校、高校などで発生しているいじめ問題による学校の対応も「事なかれ主義」と関係しているのを知っているだろうか。 校長や教師といった子供たちを教える管理職が、責任逃れからトラブルを引き起こしている。 本当にいじめが起きたのに、学校や自分たちの権威を陥れたくないという気持ちから隠蔽し”責任を放棄”しているのだ。 その結果、いじめられた子供の両親がマスコミに告発して、いじめが発覚した事件が何件か起きている。 また、最近ニュースで取り上げられた某有名なファストフードの異物混入事件も日本人の「事なかれ主義」から起きたトラブル。異物混入によるお客とのトラブルを世間に知られたくないがためにひたすら隠し、適切な謝罪や公表がなかったため、お客がマスコミに告発したことから発覚した。 このように、スムーズに営業するために悪い問題を隠蔽する。またはバレることなく隠す傾向が日本人の「事なかれ主義」。これは日本人独特の特徴だが、できるだけ早めに改善していかなければならない。 問題をそのまま放置すると、後々大きなトラブルとなり、もっとひどい被害をこうむることになる。この機会に日本人にみられる事なかれ主義に対する考え方を、今一度改めなければならないだろう。

問題を無視し、見てみぬふりをすれば平和に暮らせる。何事もなく穏便に生活できると思いがちだが、それでは人間はいつまで経っても成長しない。さらに、小さな問題がいつの間にか大きくなる可能性も高い。

また、日本人の「事なかれ主義」は大企業や大きな組織、公務員に多いと言われているが、私たちの生活の中にもたくさん溢れている。 例えば、子供たちをもっているママグループ。 子供が通っている保育園や小学校の保護者会、ママ友のお茶会において様々なトラブルがあるはずだ。 同グループのママの1人が自分の子供の悪口を言っている。そのことをあなたが知っても、権力のあるママ相手なら口答えをすると仲間はずれにされるかもしれない・・・。このようにできるだけ穏便にグループの仲間として過ごすためにも、辛抱しなければならないのだ。 「大事にしたくないから」「他人から嫌な目で見られたくないから」と、日本人独特の事なかれ主義は日常生活の中にたくさん潜んでいる。 しかし、そのままでは自分の身がもたない。 では、どうすれば事なかれ主義に対する考え方を変えられるのだろうか。改善ポイントについて次の項目で説明しよう。

全部で4つ!事なかれ主義を見直すポイント

大企業や組織の一員として働いている社会人、主婦でも事なかれ主義を見直す必要がある。 事なかれ主義で生活し続けると一向に自分自身が成長できない。 では、どうすれば日本人独特の考え方が改められるのか、見直すポイントについて説明する。

  • 責任転嫁をしない
  • 問題と真正面から立ち向かう
  • クリアすることで得られるメリットを考える
  • すぐに問題を解決する

主に挙げられるのは、以上の4つのポイント。 この中でももっとも大切なのは「責任転嫁をしない」ことだ。 事なかれ主義はすぐ、自分ではない関係のない人に責任転嫁をする傾向が強い。日本人は責任感が薄いと言われており、とくに“ゆとり世代”は注意しなければならないだろう。 競争をなくし、他人と比較することなく個性を尊重する教育が行われてきたゆとり世代は、争うことを嫌う傾向が強い。「みんな仲良く、平等に」「個性を大切に」が合言葉のように、責任もみんな同じと考えている日本人が多いのだ。 それでは、事なかれ主義を助長させるだけ。 責任感は1人1人違い、自分たち自身で自覚しなければならない。責任をきちんともつからこそ、大きな仕事もスムーズにこなすことができ、部下や上司からも信頼感が得られる。 問題が起きるたびに責任を他人にぶつけていると誰からも信頼されなくなってしまうだろう。信頼は一度失われれば取り戻すことはできない。よって、問題が起きたら真正面から受け止め解決する。責任を他人に押し付けないことが大切。 立ちはだかる壁におそれを抱くと思うが、すべては自分の気持ち次第。受け止める意気込みをもっておけば、周囲の人たちも必ず助けてくれるはずだ。 それでも不安な気持ちが残るのなら、問題を解決したらどのようなメリットが生まれるのかポジティブに考えてみてはいかがだろうか。

概念を変えるための第一歩

この主義を改善したいなら、「ここで解決しなければこの先どのようなことがまっているのか?」と言ったように先のことも考えてみよう。そうすれば「今解決しなきゃいけない」とより意識が高まるはず。 日本人独特の事なかれ主義は、“ネガティブ思考”が大きなウエイトを占めている。 「自分では解決できない」、「どのような方法でも無理」と何も実行しないまま諦めてしまう・・・。言うまでもなく、それでは意味がないのでまずは実践しよう。 実践し、解決できなければほかの解決策を考える。その繰り返しで人間は成長するもの。 外国人は日本人と違い、失敗しても「気にするな」「次がある」とポジティブな考え方をもっている。日本人にも見習ってほしい考え方ではないだろうか。 事なかれ主義による責任転嫁は誰のためにもならない。 自分にそのような傾向がみられる人は、少しずつ考え方を改めていこう。